◎省エネ基準の改正について

エネルギーの無駄づかいを減らして石油依存度を下げるために、 「省エネ基準」が施行されたのは、第二次オイルショックが起こった昭和54年。
その後、平成4年の改正で「新省エネ基準」、平成11年の改正で「次世代省エネ基準」となり、 今回13年ぶりに改正されました。
建物外皮の断熱性能を指標とした「次世代省エネ基準」から一歩進んで、 建物全体でエネルギー消費量を減らす時代が始まります。

 

新しい省エネ基準の特長は、大きく次の3つに分けられます。
地域区分の変更、断熱基準の見直し、そして一次エネルギー消費量の採用。
中でも最も大きな特長が、一次エネルギー消費量という新しい指標です。

1.一次エネルギー消費量

これまでの「次世代省エネ基準」(平成11年改正)では、おもに建物の断熱性能を評価していました。
でも、いくら構造や躯体の断熱性能を高めても、家の中の設備機器が省エネ型でなければ、 住まい全体で使うエネルギーは効果的に減らすことができません。
そこで新しく採用されたのが、「一次エネルギー消費量※」という指標。
設備機器を含めた住まい全体の省エネ性能を評価することで、燃費の良い家を増やしていこうというわけです。

※一次エネルギー消費量とは、建築や住宅で用いるエネルギーを熱量換算した値のことです。
ただし、電気については、電気そのものの熱量ではなく、発電所で投入する化石燃料の熱量を用います。

 

一次エネルギー消費量の計算に含まれるのは、冷暖房をはじめ、換気、給湯、照明などの設備機器。
それぞれ種類や設置方法、省エネ対策によって、評価が変わってきます。
居住者が持ち込む家電や調理器具などは、省エネ効果は評価されませんが、 太陽光パネルによる再生可能エネルギー発電や、エコキュートなどの省エネ効果は評価の対象となります。
一次エネルギー消費量は、床面積、居住人数、部屋の種類によって変わってきます。
とはいえ実際の暮らし方は、設計の段階ではわかりません。そこで「主たる居室」「その他の居室」「非居室」のそれぞれに、 床面積に応じた標準的な一次エネルギー消費量が設定されています。
居住者数や家電や調理器具も、床面積に応じた標準的な一次エネルギー消費量で計算。
こうして、住まい全体の一次エネルギー消費量を算出します。

2.不公平のない断熱基準へ

 

断熱性能についても、これまでとは違う指標が採用されました。
とはいえ、より公平に評価するための見直しなので、求められる性能のレベルは次世代省エネ基準とさほど変わりません。
その具体的な変更点と特長をご説明しましょう。

 

次世代省エネ基準は、性能規定に相当する判断基準と、仕様規定に相当する設計施工指針に分かれていましたが、新しい省エネ基準では、これまで年間暖冷房負荷、Q値(熱損失係数)、μ値(夏期日射取得係数)などで評価していた断熱性能は、UA値(外皮平均熱貫流率)とηAS値(冷房期の平均日射熱取得率)だけで評価することになります。

●数値記号の読み方 μ=ミュー η=イータ

 

 

これまでのQ値やμ値は床面積あたりの数値ですが、UA値とηAS値は外皮面積あたりの数値。Q値やμ値では、 床面積の割に外皮面積が増える小さな住宅や複雑な形の住宅は、高いレベルの断熱を施さなければ基準をクリアできないため、これまでは補正が必要でした。
この基準が変わり、さらに一次エネルギー消費量の評価が加わることで、住宅の大きさや形による不公平感が解消されることになります。

●数値記号の読み方 μ=ミュー η=イータ

Q値の課題を解消するUA値

新しい省エネ基準では設計施工指針がなくなるため、これまで設計施工指針を頼りに次世代省エネ基準に取り組んできた事業者の多くは、対応に不安があるかもしれません。
特に面倒なのが、新しく採用された一次エネルギー消費量の算定。
この点については国も考慮していて、インターネット上で公開する計算ソフトを準備しています。
この他、さまざまな講習会や解説書も含めて、施行へ向けた準備は着々と整っています。

3.都市の炭素化

さまざまな施策によって、日本がめざしているのは、人口が集中する都市の低炭素化。
住宅によるCO2削減の基本となる新省エネ基準の地域区分やスケジュール、関連法案、そして未来へ向けた取り組みをご紹介します。

新しい省エネ基準では、地域区分も見直されました。
これまでは全国を6地域(T地域〜Y地域)に分けて、さらにT地域とW地域だけa・bに細分化されていましたが、全体を通してわかりやすい数字で8地域(1地域〜8地域)となります。

◎施工の移行期間と関連法案

今回の省エネ基準改正は、「低炭素まちづくり推進法」(平成24年9月公布)に基づくもので、住宅については2013年10月1日施行、そして2020年には義務化をめざしています。
関連する性能表示制度や長期優良住宅の認定基準についても、2013年度中に見直しが行われる予定です。
一方、改正省エネ基準を基本とする低炭素基準の方は、すでに施行され、認定制度もスタート。
住宅によるCO2削減の取り組みは、着実に進化しています。

◎環境にやさしい暮らしの実現

 

高断熱・高気密化を推進する省エネルギー時代から、省エネ基準改正や低炭素住宅を経て、ゼロエネルギー・ゼロカーボン時代へ。
どんどん省エネを進める日本の住宅が最終的にめざしているのは、建設から廃棄までのエネルギー消費量をマイナスにするLCCM(ライフサイクル・カーボン・マイナス)住宅。
今回の新しい省エネ基準のさらに先を見据えて、長期的な取り組みが始まっています。

 

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